天然パーマです。

Cloudflareに入社しました

本日4/17日(月)付でCloudflareに入社しました。ロールはDeveloper Advocate、日本法人との契約ですが、日本に限りません。入社へのプロセスではUS、ヨーロッパのメンバーとやりとりをして、入社後のボスはUSになります。「Developer Advocate」は日本はもちろんアジアでは初、Cloudflareの中でも新設される部です。扱うのは主にWorkers製品で、Honoなどのフレームワークやユースケースを示すアプリケーションの開発と、製品と開発者をつなぐことをやります。

経緯

Hono

僕がユーザーとしてCloudflare Workersに触れたのは、一昨年、2021年の10月です。ブログ記事を書いています。

そして、同年の12月には、Cloudflare Workers向けのフレームワーク「Hono」の開発をスタートさせることになります。

Honoは現在でこそ、Fastly Compute@EdgeやDeno、Bunなどのランタイムで動きますが、もともとはCloudflare Workersがターゲットです。 例えば、Cloudflare Workersで動いてるcdnjsのAPIでHonoが使われています。 また、Cloudflare公式ブログの記事内でも利用されています。

Honoの開発は非常に楽しく、プログラミングを初めて20年程度立ちますが、「これほどまで熱中したことがない」ほどです。毎日、夕食が終わってから寝るまでの時間、コードを書いたり、IssueやPRをみたり、コメントしたりしていました。

Honoに限らずとも、Cloudflare WorkersやCloudflare Pagesに関する記事を書いていました。Cloudflareのコミュニティで認知されるようになります。

Cloudflareで働く、なんて考えたことある?

去年2022年10月。Workers/D1チームのGlenからTwitterのDMで声をかけてもらいました。

「Cloudflareで働く、なんて考えたことある?」

Workers/D1チームは開発者を探していました。特に、Glenはヨーロッパから地元のオーストラリアへ帰って仕事を進めるために同じタイムゾーンの仲間を探していたそう。それで声をかけてくれた。

僕はフリーランスで仕事をしていました。Cloudflareは好きですが、まさか自分がそこに入る、なんてことを考えたことがなかった。それを中の人、Glenが提案してくれた。火が付きました。「Cloudflareに入りたい」。ただそれはGlen曰く「レアケース」。アジアでWorkersのデベロッパーはいないし、日本人が日本にいながら、Workersチームと一緒にやるのは非常に難しいことです。そして、日本法人はまったく噛まずに、Cloudflare本体を説得していかなくてはいけません。

しばらく日があいて、こりゃもうだめかなって思った11月中旬。今度はWorkersチームでSVPのDaneに声をかけてもらいました。「Cloudflareで働くことに興味はないか?」と。その後、同チームのIgorと話すことになりました。最初はそれがインタビュー、つまり面接だとは思いませんでした。

と4回オンラインで話しました。みんな活動場所がバラバラなので面接時間帯が深夜になったり早朝になったりしました。Peteとはコードを一緒に書こうってことで「Wranglerのバグとりはどうか?」と事前に言われてました。でも、それじゃあ刺激的じゃないので、Honoの新しいRPCモードをデモして、一緒にエディタを覗いたりしました。Glenともそれで盛り上がりました。

それが、去年の年末にかけて起こったことです。まじで英語話せなかったのですが、IgorとDaneは前向きなことを言ってくれました。

ロール

初めてロールが明らかになります。通常のパスだと、ジョブディスクリプションとロールがありきで、そこへ志願者が応募することになります(ですよね)。僕の場合は後から知らされました。当時はてっきりWorkersの開発者だと思ったのですが、Developer Advocateと言われたのです。

そういえば、Daneに「開発とAdvocateとどちらがやりたいんだ?」と聞かれたことを思い出しました。その当時は Developer Advocateという役職があるのを知らずに「both」と答えていました。

Give me 2 days.

ここで、リクルーターから「ビジネス的は意味でブロックがかかってる」と言われました。モヤモヤします。ただ、Daneがちょくちょく連絡をくれてて、それが希望になりました。彼は「物静か」という印象ですが、なにか熱いものを感じます。

2月末になってもう待てないので、Daneに「Honoは大きくなっている、多くのWorkersのユーザーに使われてるんだ」と話すとこういってくれました。

「だいじょうぶ約束する。2日待ってくれ」

すると事が早く進んでいく。アジアチームと連携が取れたのでしょう。日本に住むリクルーターが担当してくれて一気に早くなりました。カルチャーフィットの面接、日本法人の佐藤社長との面接を終えて、ほぼ確定。ZatlynとのFinal C-callは緊張でした。電話は難しい! そしてMatthewからのオファーレターにサイン!

半年間の就職活動が終わりました。

初めての会社員

2006年、大学院卒業後、父親と会社をつくり、2019年に廃業してからはフリーランスとして活動してきました。41年間生きてきて、初めての就職活動、そして初めての会社員です。

英語

英語が本当にできない。喋れない。もし普通に就活をしたら、英語力で速攻落とされます。だから今、必死にスタディサプリとDMM英会話をやって追いつこうとしています。ソフトウェアは世界的に発信できますが、しばらくは、スピーチやドキュメントは日本語が中心になりそうです。

トラベルブック

これまではトラベルブックに参加していました(厳密には4月末まで契約が残っています)。トラベルブックとは、2014年の創業時からの付き合いです。当時は技術顧問で関わっていて、途中ブランクがありつつ、2021年からはフルタイムに。現在まで開発をやっていました。「ぷっつり」切れるわけではないので、また飲みに行ったり、遊びに行きましょう。

Developer Advocate

Developer Advocateという言葉は聞き慣れない言葉です。ようは製品とそれらを使う開発者をつなぐ役目だと思っています。 エバンジェリストと違って、かなり「Developer」寄りです。自分でライブラリの開発もする。例えば、Zodの作者で、tRPCの初期バージョンのオーサーのColinがBunのDeveloper Advocateです。

Cloudflareには今年のはじめに亀田さんがエバンジェリストとして入りました。 亀田さんとは全く別スレッドで話が進んでいて、彼がCloudflareに入ったことは後から知りました。 また、僕が入社する、という話は亀田さんとは今までしていません。 紹介した通り、経緯が違いますし、開発者寄りという意味では、役割が分担されるかと思います。

Honoの今後

Honoの開発もやっていくことなると思います。ただ、決して HonoをCloudflare専門のフレームワークにするつもりは全くなく、これまで通り、Fastly Compute@Edge、Deno、Bun、Vercel、AWS Lambda、Node.js等のプラットフォームにプロダクションレディで対応させていきます。

その他

Hono以外にもやりたいことがたくさんあります。 例えば、Cloudflare Workersに超特化したフロントのフレームワークを作りたいとか、拙作のPicoをもっと使われるようにするとか。また、Workersには、KV、Durable Objects、R2、D1、Queueなど様々周辺のプロダクトがあり、それも増え続けています。これらを使ったアプリケーションを作って、新しいユースケースを示していく。開発者と知識を共有するなにかを作る。 やっていきたいです。

いよいよ入社

いよいよ今日からCloudflareでの仕事が始まります。まずは、ラップトップのセットアップをします! みなさんに感謝です!