ハライチ岩井のエッセイを買うつもりが、 オードリー若林のエッセイを買っていた。 「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」という角川から出ている文庫本。
1年くらい前からオードリーのオールナイトニッポン(ANN)を毎週聴くようになって、 いつの間にか彼らのファンになっていた。 それまでは春日のピンクのベストの印象が強かったが、 ラジオではだいたい、8割上若林(ここからは愛着を込めて若様と呼ぶ)が喋っていた。 これは、ハライチのターンでは岩井さん、三四郎のANNでは相田さんが それぞれ相方よりも存在感があるのと似ている。 テレビでインパクトがある方じゃない「じゃない方」の方が、 ラジオでは活躍する説である。 ちなみに、オードリーのANNではリスナーのことをリトルトゥースと呼ぶ。 僕も今では立派なリトルトゥースなわけだ。
さて、このエッセイは若様の中二病爆発なエッセイである。 自らが中二病であることは自らが本書の中で指摘している通りで、 何度も中二病という言葉出てくるんだけど、 それを僕が違う言葉で形容するのはなかなか難しくて、 やっぱり中二病という言葉を使ってしまう。 あらためて中二病とは?を本書の中から引用させてもらうと、
中学二年生が考えるような自意識過剰なことを大人になっても引きずっている人のこと
とのことらしい。つまり自意識過剰の話だ。
まぁ、やたらと共感するところが多かった。 スタバでグランデを頼むのに怖気づくし、 岡本太郎に憧れていたし、 手酌のやり方もぎこちないだろうし、 自己啓発の類いの本はたくさん持っているし、 趣味はなんですか?という質問には答えられない。 そしてそのことを結構気にする。 ―そうなんだけども、読み進めていくうちに 若様はだんだんとそれに慣れていって、 「社会人大学 人見知り学部」の卒業に近づいていく。 この本はダ・ヴィンチに連載していた4年間のエッセイをまとめたものだから、 その過程がページをめくるごとにはっきりと分かるのが素晴らしい。
いちリトルトゥースとして好きだったのが「春日」と題されたもの。
春日はずっと楽しそうで。 若林はずっとつまらなそうだった。
そして、最後にこう締める。
ぼくは春日に憧れている。
うん、しびれる。
ラジオを聴いているものとしたら、読んでいると若様がラジオで喋っている風に(2割しか喋らない春日がいないANN風に)脳内再生されて心地よい。付け加えると、ひとつのエッセイごとに彼の手書きイラストが表紙になっていて、それが中二どころか小四生が書いた感じのヘタウマで面白かった。
さて、次こそは岩井さんのエッセイを読むぞ。