共著で「 Webアプリエンジニア養成読本 」という書き下ろしのムック本を執筆しました。来る 3月11日 にAmazonや全国書店にて発売いたします。出版社は以前の単著「Webサービスのつくり方」その他でもお世話になっている技術評論社さんです。
Webアプリケーションは、プログラム、データベース、サーバなどを含むさまざまなレイヤから構成されるシステムであり、またそのしくみも日々進歩し続けていることから、新人エンジニア、経験のないエンジニアには、覚えるべきことが多く全体像の理解も難しい側面があります。 本書では、こうしたWebアプリケーション開発の基礎を、前提知識、開発、デプロイ、運用の各フェーズに分けて解説し、全体像の体系的な理解を促すものとして刊行します。最前線の現場で活躍する著者勢が各々の得意分野について書いているので、実践的な内容に仕上がりました。 プログラミング言語としてはPHP、Ruby、一部Perlを取り上げ、それぞれ動作可能なサンプルアプリケーションをつくりながら、最新の技術トレンドを踏まえた開発手法を紹介。また、見落としがちなWebを配信するための本番環境の構築。そして運用に関してもピックアップしています。
さて、個人的にも興味深かったので事の発端や執筆過程を紹介してみましょう。
まず、去年の11月に技術評論社、略して 技評 の編集者、細谷さんとなんとなく本の企画について話していました。時期的に「その当時の来年」つまりは「今年の」3月〜4月に「Webアプリの技術にフォーカスした基礎知識から運用までもカバーする入門書」を「新人向け」に出せるんじゃないかとまとまります。ただ、僕一人では知識的にもなによりリソース面でも難しいと、細谷さんには正直に伝えてあったので「共著はいかが?」となりました。
うむ、共著か…
ひとりで文章を書くのは苦では無いのですが、複数人で書くとなると状況が変わると思い、ためらいつつも細谷さんに僕以外の担当分の著者をアサインしてもらうように頼みました。それがとある日の夜…
その後細谷さんと分かれ、ふと。考えてみたら、身近に一緒に楽しく書いてくれそうな人達。いや。「書きたいけれどウズウズしてそうな人達」がいるではないか!!と、その瞬間、Facebookメッセージで個別に連絡をし、3人からOKを承諾。細谷さんとの打ち合わせのその日のうちに共同執筆者が確定していました。素晴らしいスピード感。その3人こそが彼ら。
- ウズラさん / 実践部分のPHP編を担当してもらおう
- すがさん / Ruby編を担当してもらおう
- こえむ / インフラと運用を担当してもらおう
僕を含めてこの4人は去年の年末で 7回目 を迎えた「 ハチイチ忘年会 」で幹事をやったりして親しくなった仲です。生で出会う機会は少ないけれども同じWeb系のエンジニアということで、それぞれお互いを意識していたはず。あまりにも身内的に本を書くのはよく無いけれども、この4人ならば、社会性を帯びたままいい本が書けるんじゃないかと企んだのです。いい具合に専門分野が微妙に違うので配分もピッタリだし、何よりも今まで書籍関係の執筆経験の無いウズラさんとこえむが経験を踏んでもらえれば幸いと感じていました。
ハチイチ忘年会の様子。
みんなで書くぞ!というGOが出たのも早かったですが、執筆もいいペースで進みました。2013年11月26日にキックオフの打ち合わせ兼飲み会をみんなで行い、方針を固めます。
原稿は Markdown で書いて GitHubプライベートレポジトリ で全て管理する方針を取りました。naoyaさんのようにPull Requestを活用する手もありますが、編集者とのやりとりは最後の段階であるPDFになったゲラが対象だったりするので、特に意識せずに、シンプルな運用にします。
-
masterブランチ
にガンガンpush
してよね -
commitメッセージ
は分かりやすいように日本語でいいよね -
Issue
も活用。例えば各担当ごとにIssue
立ててそこで意見を投げ合う
などですね。
また、雑誌スタイルであるムック本の体裁なので、実物の本になった時のイメージがつきにくいと思い、Markdownのプレビューソフト「 App::mookview 」なるものをつくったりしました。
コマンドラインの引数で指定したMarkdownテキストをザックリとムック本っぽくHTMLページにして配信してくれます。当然編集を当したあとの原稿との差が出てしまいますが、雰囲気をつかむのに役に立ちました。
そんなこんなで、ちょいと編集間際にコンテンツ量の調整で手間取りましたが、そこそこいい具合に執筆、脱稿、校正、入稿まで進んで今に至ります。
一度だけやった執筆ハッカソンの様子。
結果、楽しく4人で本を書きましたよーって報告と宣伝。また、3月20日に池袋ジュンク堂でイベントをやるので興味があれば是非!というお話でした。立ち読みでいいので、お手にとっていただければ幸い!!
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