軽いのをパラパラと読むのもいいが、 どうせ読むのだったらと著名な人の書いたビジネス書、自己啓発書等を読んでいこうかと思う。 今回はドラッカーの「プロフェッショナルの条件」。 ドラッカーが執筆したいくつかの論文からピックアップして掲載する形をとっており、 現在の時代背景を元に、組織の中でどのように仕事、生活をしていくか彼なりの理論が書かれている。 副題が「はじめて読むドラッカー」とあり、よくまとまっている。
以前、読んだことのある著者による「ポスト資本主義社会」という本には、 知識労働者の出現で新しい社会が到来していることについて書かれていたが、 この「プロフェッショナルの条件」もこのような社会を想定している。 その中で、いかに成果をあげ、成長できるかがテーマである。
組織との関係、「生産性をいかにして高めるか」、「時間を管理する」などといった各章はそれぞれ、 参考になるわけだが、一番俺が衝撃を受けたフレーズを紹介する。 それは「何によって憶えられたいか」である。
私が十三歳のとき、宗教のすばらしい先生がいた。教室の中を歩きながら、「何によって憶えられたいかね」と聞いた。誰も答えられなかった。先生は笑いながらこういった。「今答えられるとは思わないでも、五十歳になっても答えられなければ、人生を無駄にしたことになるよ。」
自分が何に集中すべきか、成長していくか、そのために何を辞めるか、 いかにベストを尽くし成果をあげていくか…。 この「何によって憶えられたいか」を常に自問することによりこれらのことについて考えさせられる。 簡単でわかりやすい、素晴らしいフレーズだと思う。
本書はどちらかといえば理論的・概念的なことの記述が多いが、 上記のような自分にしっくり来るフレーズがいくつか見つかるだろう。 そして、実践的な記述が少ない分、自分でどう実際に行動するかを考える楽しさがあるかもしれない。
- P・F. ドラッカー Peter F. Drucker 上田 惇生
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- 「あなたは何によって憶えられたいか」
- この先、何度も読み返す事になるだろう
- 響きました
- 知識社会の住人として教科書にしたい
- 21世紀における労働者のありかた
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- いま読み返しても洞察は古びていない
- 歴史の境界という名の転換期
- 現代社会人の指南書
- 10年前に書かれたということが驚き
- これからの企業・個人・社会を論じたスケールの大きな書