カバーに惹かれたので今更ながら購入、読了。経済学者、吉本佳生氏による「スタバではグランデを買え!」。 経済学を学んだことのない自分にとっては、モノと値段の関係性について改めて納得させられる本であった。
「同じモノがちがう価格で売られている理由を探ること」が本書における大きなテーマの一つで、例えば百円ショップとコンビニでは同じペットボトルのジュースがそれぞれ違う値段で売られていることなどが例に挙がっていてその訳を解説していく。タイトルの「スタバではグランデを買え!」はコーヒーショップでコーヒーを買うときに、どのサイズを買ったらどれだけの価値の差があるかという実例のひとつでもある。
そこでわかるのは、同じもの、同じようなものに対して一様に「こっちの方が安いから得だよね」と簡単には言えないということ。だからこそ、我々は100円ショップのペットボトルが安いからといって、同じものを自動販売機で買わないかと言われればそんなことはない。多少高くても、すぐ手に入る、冷えている、といった様々な理由=付加価値があるからこそ消費者は購入行為に入るし、販売する側もそれだけの価値をつけるためにコストを払っている。よく考えたら当然のことだし、昔からなんとなくこうした付加価値について理解していたつもりだが、本書はそれを綺麗に論理的に解説してくれるので、実に腑に落ちる。
また、単に経済的に「こっちの方が得だよ」と考えるための材料にとどまらず、こうした視点は物事の本質的な価値を見分けるのにも役立ちそうだ。日常においてほぼ毎日、我々は「ものを買う」という行為と対面している。その中で値段の裏に潜む価値を探ってみるのも面白いだろう。
posted with yusukebe.com::AmazonSearch on 2008.4.6
- 吉本 佳生
- 単行本 / ダイヤモンド社
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- 身近なところから実感できる経済学
- スタバではグランデを買え
- モノゴトは裏からもみてみよう
- ケチな人に読んでほしいかも、
- ケーススタディではありませんが。